今宵のディナー、パリで最後の晩(って言っても2泊目だけど)のディナーは、ル・プティ・ヴェルドです。
昨年は空港シェラトンに泊まったのでお邪魔できませんでしたが、パリ市内泊の時は必ず伺うことにしてます。
店内へ入ると、オーナーソムリエの石塚さんがすぐに誰だか見極めてくださいました♪
年季の入ったカウンターがかっこいいです。既に先客もいらっしゃいましたが、どうも中東からいらした模様。ドバイとかは多少開放されているだろうけど、いろいろ制限が多いだろうから、パリで息抜きか?
ここんち、いい雰囲気のビストロだと思います。
さらに日本語バリバリに通じるから、とっても嬉しい。
本日のお品書きは、こちら。ここんちはアラカルトしかありませんから、これを見て組み立てます。
スタータ、おさかな、にく。・・・と並んでいますが、スタータの後はメインをひとつで充分だな。
石塚さん、日本人のお客さんには判り易く解説してくれます。以前 maquereau mariné mi-cuit を「これ要するに締め鯖です!」とか、思い切り判り易くて割り切った解説をしてくれるから、大好き♥ (笑)
ソムリエコンテスト優勝の石塚さんに任せりゃいいのに... ワインにはうるさいスイスの先生、リストを所望。
ワインリストの表紙が凝ってるよね。紙ぢゃなくて板だけど。後ろでパンを切ってくれているのが石塚さん。
で、パンを受領いたしました。
全粒粉で焼きたてで、なんにでもあいます。
もらった炭酸水はこちら。BADOIT の銘柄を見たスイスの先生「う~ん、儂の嫌いな水ぢゃ」って言うし...。
でも、口へ運んで先生が意見豹変!「をを、これは儂の覚えているのと違う!?」と、ラベルを確認しました。これたぶん4~5ATMくらいの順当にきめ細かい泡の、ミネラルも強すぎない普通に美味しい炭酸水だけど...。
我々が開店して2組目くらいの客だったので、最初のお皿がすぐにキマした。
Pied de porc désossé et foie gras pane, purée d'epinards (€18)
骨なしの豚足肉パテにほうれん草のピューレ
石塚さんには日本語で「豚足です!」と説明を受けた皿ですが、先生には丁寧なフランス語の解説を。(笑)
・・・豚足のコロッケですね!(爆)
スタータとしては重い方だろうけど、ほうれん草のピューレで爽やかさを加えつついただけばいいわけだ。
僕はリストの中に「ああ、ここんちにもあったよ... もうヤケクソだよ」と、白アスパラ祭りの締めくくりを。
Asperges blanches servies froides et tartar de noix de veau (€18)
冷製のホワイトアスパラガス、子牛フィレ肉のみじん切りタルタル添え
これは... これは... 昨夜のエピ・デュパンをさらに上回るシャキシャキ調理です。火が入ってる。でも... 茹でた?
石塚さんに、昨夜のエピ・デュパンを含めて、ブルゴーニュからずーっと毎日のように白アスパラ食いまくってきたけど、これがいちばんシャッキリしている。でもどうやって仕上げてるか不思議です。と素直に問うたら、調理の秘密を教えてくれました。全体をオリーブ油に浸してから低温でスロークックするんだって!
「・・・それ、シドニーの和久田さんが鱒のスロークックにやってるのと同じ調理法ぢゃないですか!?」
「Tetsuya さんと比較されたら恐縮ですけど... それにあの人、口数少ないし。w」
とかいう会話も愉しめましたが、オリーブ油漬けでスロークックか...。素人が自宅で簡単に真似できないなぁ。ともあれ白アスパラを食べ続けてきて、最後に凝った調理をされたハイレベルな完成度のものに出逢えました。
そうそう。白ワインは結局AOCが Appellation Sancerre Contrôlée の「フランスのどまんなか産」の白を。
Pascal Cotat "La Grande Cote" Sancerre Vignoble a Chavignol 2011
パーカーポイント92点のソーヴィニョン・ブランです。アルコールが強いけどなめらか。クイクイいける。サンセールのソーヴィニョン・ブランって初めて飲んだと思うけど、ボルドーより好きかも...。
さて、先生のメインはこちら。
Bavette de Limousine grillé jus de cuisson (€33)
リムジンのフランクステーキ、焼き汁とともに
石塚さんが「ハラミです!」とまでおっしゃったかどうか、覚えていません... (爆)
うまく訳せませんが、豪勢で図体のデカい牛の横隔膜部位をダイスカットしたステーキということでしょうか。
ポテトピューレや、アーティーチョーク他の温野菜添えなのでスイスの先生は幸せそう。アタリを引いたね。
僕は鳥類でいきます!
Caille désossée et foie gras au chou, purée de lentille (€35)
骨なしウズラ肉とフォアグラのキャベツ包み、レンズ豆のピューレを添えて
う~ん、自分が食ったものはキレイに訳せると思う。(爆)
上に乗っかってるのは、ウズラ卵の両面焼き! ここんちのシェフさん、どんどん腕が上がってると思う。
キャベツに包まれた部分へナイフを入れると... フォアグラの脂とやわらかウズラ肉で、もう、うっとり。
ここんちはデザートも逃しません。安眠するためにコーヒーは飲まなくても、甘い物はしっかり。
今宵はこんだけの中から選択ですが... いつも以上に迷いました。半生チョコ、イチゴ、洋梨、メロン、そして、ルバーブまで...。ああ、どれも食いたい!(全部頼めばいいだけの話なんだけどね(笑))
先生はルバーブに走りました。・・・スイスでも普通に売ってるし、庭にも生えてるし。(笑)
Mousse à la rhubarbe et son coulis, glace meringuée (€10)
ルバーブのムースとクィルに、メレンゲのアイスクリーム
やさしい彩りです。酸味のあるルバーブを単に甘くせず、メレンゲで丸める。というのはアイデアものです。
僕は洋梨でいってみました。
Compote de poire, glace caramel (€10)
洋梨のコンポート、カラメルのアイスクリームと
これは少し予想外のプレゼンテーションで登場しました... てっきり「梨の赤ワイン煮」が出てくると思った。
手前のガラス器の中は一緒にいただくクリーム。洋梨とカラメルアイスは四角い陶器に入ってます。コンポートは赤ワインや糖蜜で、という固定観念に縛られていた自分が情けない。まだ梨の緑色が残るようなフレッシュな仕上がりで、そこへカラメルの濃厚な味わい。さらにメレンゲとカスタードを重ねたようなクリームが添えてあって、楽しくいただけるデザートでした。特に甘さの加減がいかにも日本人好みな仕上がりなのが、実にイイ!
石塚さん、今年もお世話になりました。またパリに泊まる時には必ず伺いますから!!
Le Petit Verdot
75 Rue du Cherche-Midi, 75006 Paris
Tel. +33 1 42 22 38 27
le-petit-verdot.com
Hours: Tue. - Sat. Lunch: 12:00 – 2:00 pm, Dinner: 7:30 – 10:00 pm
Closed on Sunday, Monday
「今年も美味しかったですね~♪」「うむ。なかなかの店ぢゃな」とか、ヨイヨイで会話しながら帰路へ...。
その昔、家人と一緒にパリへ来たときの宿の前を通過。なんか、けばけばしいネオンが点ってラブホみたいに。
さらに、家人と散歩した道を、この夜はスイスの先生と歩くことになりました...。
この交差点から見えるエッフェル塔、しっかり覚えてます。
反対側を向けば、もう夕闇が迫る東側にはモンパルナス・タワーの照明が点いていました。
僕の複雑な思いに気づかず、スタスタ歩いて行くスイスの先生... まあ、あのタワー見てたら迷わないから。w
その後、またブルバール・ドゥ・ヴォージラール(未だにヴァンガードとしか覚えられないw)の歩道を歩き...
日が落ちてからの景色もいいもんです。
モンパルナス・タワーを見飽きるほど見たけど、方角の見極めにはホントに便利でした。(笑)
こうしてパリでの最後の晩を過ごしました。今年もいい思い出を作れました。
明日はやや早起きして、僕は空港へ、先生はリヨン駅へと向かいます...。
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CdG(21) - Le Petit Verdot
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