バッセスドルフの街にある気取らない食堂、ガストフ・フリーデンで土曜日のディナーをいただいております。
あ、二階のベランダにあるのは案山子みたいなもんで、もうすぐカーニバル fasnacht だから、その飾り付けです。
さて、メインコースはこちら。まずは先生の。
Tessiner Kräuterschnitzel Schweinsschnitzel paniert mit gemahlenen Pistazien, frischem Rosmarin, Thymian und Salbei garniert mit Baumnuss-Bratkartoffeln und Gemüsegarnitur ティツィーノ風シュネッツェル 砕いたピスタチオをまぶしたポークカツレツ、フレッシュローズマリー、タイム、セージ風味。ローストしたクルミ入りポテトと温野菜添え
トンカツの変わり衣。だと思ってもらえればだいたいあってる。(ああこの台詞、先生に読まれたら折檻だな...)
ピスタチオの入った衣がティツィーノ風だし、こっちではビフカツ(子牛だけど)が主流で、豚肉はやや珍しい。
添え物のポテト、少しもらったけど美味しかったです。
ハーブやクルミの粉をまぶして炒めたポテト。香りがいいですが... 僕も巨大なレシュティが来たので手伝えません。
その、僕のお皿がこれ。
Geschnetzelte Kalbsleberli in Butter gebraten mit Zwiebeln und frischen Kräutern dazu Rösti
薄切り子牛レバー炒め 玉葱とハーブバターで炒め、レシュティ添え
チューリヒ地方の名物、子牛肉のスライス・クリームマッシュルーム炒めを見つけてそれにしようと思ったら「レバーは好きか?もしレバーも大丈夫なら、これもこの地方の名物だから試しなさい」と言われました。
焼き鳥のレバーは大好物ですが... これは少し重かった。それに量がすごいから、少し飽きてくる。ただ、レバー好きなら大感激だと思います。血抜きもよくできているし、ちょっと添えてあるホイップクリーム(無糖!)で風味に変化が付けられるし、外側カリカリで中がモチモチのポテトパンケーキ「レシュティ」と一緒で、最高です。
僕は自分のお皿を完食、先生の食べきれない胡桃ポテトを少しつまんで、もう満腹だけど... デザート別腹は確保。
せんせい... またメニューに無いものを頼むし。
リゾットに使ってあったチーズがまた気に入って、食後のチーズに出してもらいました。
食後に何が何でもチーズ、というのはフランス人で、ドイツ語圏のスイス人は甘い物のほうが一般的みたい。
でも、先生はこのチーズをどうしても「とろける前」の状態で食べたいようでした。
スイスの先生にホウズキを指さされ「これは英語で何と言う名前ぢゃ?」と聞かれました...。アクセントのホウズキは、サンマテオでも「トマティーヨ」という名前で、スーパーの野菜売り場に売っています。
「ちょっとライカを貸しなさい」って・・・ 「せんせい!被写体に自分の影が落ちてる!」
・・・気にしないで撮る奴。
僕はスイス名物の「ヴァーミセル」というデザートに、ひさしぶりに出逢えました♪
Klassisches Vermicelles Kastanienmousse verfeinert mit Kirsch dazu Meringue, Vanilleglace und Schlagrahm garniert mit frischen Früchten 伝統的なヴァーミセル チェリー酒で香りを付けた栗のムース。メレンゲ、バニラアイスクリームとホイップクリームに新鮮なフルーツ添え
「せんせい、このヴァーミセルは日本では『モンブラン』って言うんですよ。イタリアでも『モンティ・ビアンコ』って名前でしょ?」「スイスの名物はスイスのものぢゃ。モンテビアンコはまた別物ぢゃ!そもそもモンブランはフランスの山ぢゃ!!」・・・と強情に同一視されるのを拒まれましたが、日本人的にはモンブランです。アルプスは長野です。w
日本のモンブランは甘露煮の栗で黄色っぽいけど、こっちのは素のままの栗っぽいところに、キルシュというチェリーブランデーで香りをつけてやわらかに仕上げてあります。そこにメレンゲやホイップクリーム(加糖!)を添えてあるのが定番らしいですが... うっとりおいしい。ああこれが日本のモンブランの祖先だ。と思いました。日本のモンブランと決定的に違うのは、スポンジケーキを下に敷かない。イチゴのショートケーキもそうだけど、フランスやスイスの現地にはスポンジケーキなんてなものは滅多に無い。スポンジケーキを土台に(しかも洋酒をほとんど含ませないで)組み立てていくのは、きっと日本のケーキ職人が編み出した日本人向けなアレンジなんだと思います。
あ... 添えてあるトマティーヨ(ホウズキ)は「日本では観賞するだけで食べません」と、先生に譲りました。「ほほう、鯨は食べるくせにこれは食べないのか。変な民族ぢゃ」だって。いつか鯨も食わせてやる...。
リゾットは美味しかったし、レバーも量が凄いけど美味しかったし、モンブランのご先祖様に遭えてしあわせ♪
先生のお宅へ帰る途中の図。左側に見えるのは、メルセデスのディーラーシップ。先生、新しい店を探さなくちゃね。
この晩もスイスの郷土料理で美味しいお食事と、地酒のピノノワールでおなかいっぱい。ぐっすり眠りました。
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CH(16) - Rte. Gastof Frieden (2)
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