アルプスまでドライブしてもらって、遭難しそうに寒い雪山まで体験して戻って来た夕方。
天気、良くなってるし...。
運転で疲れた先生が夕食の支度をするといってきかないのを押しとどめ、近くにいいレストラン無いの?って聞いて...
連れてこられたのが先生の家からクルマで数分の、Gasthof zum Bären 直訳したら「クマのおうち」という店。
ここ、いつも素通りしていて、気になってはいたのだ。
内装はスイスらしいコンテンポラリな雰囲気。サービスも丁寧かつ気さくで、いい距離感。
なんだぁ、自宅からすぐの場所にこのくらい良さそうな店があるんぢゃん...。
ナプキンだって、テーブルセッティングだってちゃんとしてます。
ちゃんとした店だということは、それなりのお値段はするわけで... チューリヒ近郊はびっくりするほど高いわけで...(汗)
ここんちのメニューは全部ドイツ語だから先生まかせだけど、後で調べてみたら、やっぱり自分はお値段控えめなものを頼んでおいて、僕にはこれがオススメというものを割り当てていました。気を遣わせてすみません先生。
でも、とりあえず飲めば幸せになりそう。(笑)
Jürg Saxer Pinot Noir (ビンテージ不明) 500ml 瓶(CHF 22)
すぐ近所、U.V.さんちのあるヴィンタートール Winterthur という街の近所で作っているようです。冷涼な気候のピノだけど、お値段控えめなりに少々シャバシャバした感じ。でも、いかにーもなピノらしさがあって、先生が好きなタイプの範囲。
パンは2種盛りでした。
黒いのが濃厚。ライ麦とかの風味ではないし、いまいち正体不明だけど美味しい。
バターやスプレッドも凝ってました。
左から、ソフトバター、エクストラバージン・オリーブオイル、パプリカの利いたバタースプレッド。パプリカ入りのスプレッドが黒いパンと相性いいですし、白いパンとなら無条件で美味しい。
で、スタータはパイ生地に肉方面が盛りつけられたものをお揃いで注文し、半々に交換しました。
Warme Vorspeisen: Bären-Pastetli mit Brätchügeli an Rahmsauce (CHF 12.50)
Hot Starters: Bear-Pastry with with veal meatball in a cream sauce
お店の名前を取った「くまさんのパイ」って感じ?(笑)
先生のご注文は、Brätchügeli と呼ばれる子牛とベーコン素材のミートボールにクリームソースあえ。このミートボールがなかなか美味しい。クリームソースって子牛肉と相性バツグンだけど、これは上出来。
僕のために選んでくれるとき、キノコが好きだな?とか、胸腺も好きだったかな?と聞かれて選択されたのが...
Warme Vorspeisen: Bären-Pastetli mit Kalbfleisch, Champignons und Milken (CHF 15)
Hot Starters: Bear-Pastry with veal, mushrooms and sweetbreads
くまさんのパイ、子牛とマッシュルームに胸腺。こちらもクリームソースがけです。
素材が複雑なぶんだけ風味も入り組んでて美味しい。先生もこっちのほうが気に入ったみたいだったかも。でも半分づっこしてるからどっちも美味しく体験できて、仲良く幸せでした。
さて、スイスの先生が選んだメインコースは、ラビオリ。
Hirschravioli an Pilzrahmsauce (CFH28) Venison ravioli with mushroom cream sauce
マッシュルームって先生の大好物のフクロタケ入りぢゃん。子牛肉のラビオリにフクロタケのソースなら文句なしか。
子牛肉にクランベリーのソースまで添えてあるのが凝っていると思います。ラビオリを一切れ、キノコソースといっしょにもらったら、キノコの香りが複雑で素晴らしかった。スイス料理ってイタリアとフランスの影響が入ってて、ずるいです。
先生が 「スイス料理の見本みたいなもので組み上がっているから、ぜひこれを試してみなさい」 と選んだ皿が、これ。
Rehgeschnetzeltes (CHF 35) Strips of venison
an Wildrahmsauce mit gebratenen Trauben, Feigenrotkraut mit glasierten Maroni und Spätzle
in wild cream sauce with roasted grapes, Softened red cabbage and spaetzle with glazed chestnuts
刻んだ鹿肉、ワイルドクリームソースとローストした葡萄、スパッツェル、やわらか紫キャベツとマロンのグラッセ。
紫キャベツとマロン... これ、先生がブルゴーニュでいつも作ってくれる添え物そのまんまです。スイスの定番なんだ。
鹿肉のクリームソースが美味しい。肉がちょっと硬いけど、別にクセは感じず、ソースが美味しい。
やはり紫キャベツとマロンが一緒になったサワークラウトみたいな添え物が、先生の作る同じ料理といい勝負に美味しい。スパッツェルは「引き締まった作り方のすいとん(笑)」という物体ですが... 黄色い色の割りに淡白でそっけない風味。僕がスパッツェルを残しぎみになるのを、先生が向かい側からヒョイパクヒョイパクとフォークでさらっていってくれました。
おなかいっぱいです。さらにアルコールと時差ぼけも乗っかってて、幸せ。
ここのお支払いは、自炊するのを押しとどめた僕が責任もちました。いつもの貴金属カードでお支払い。
「このカード、VISAなんですね... 全体が金属だから不思議でした。」って、また驚かれちゃいました♪
近くにローカルの食材で食べさせてくれる店があったんだ。でも、先生はこの程度なら儂が作る。という風情。(笑)
確かに料理が上手だからね。紫キャベツと栗の添え物なんか、この店とタメで勝負できます。料理が上手で、しかもそれを苦にせず作ってくれる、気楽に遭える友人を持てた僕は幸せ者です。...僕がナンパされたほうなんだけどな。(笑)
Gasthof Zum Bären
Alte Winterthurerstrasse 45, 8309 Nürensdorf, Switzerland
Tel. +41 44 836 49 00
baeren-nuerensdorf.ch
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ZRH(9) - Gasthof zum Bären
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