前回の記事と見た目がおんなじだけど、これで夕方になってきたところ。(笑)
土曜日の晩ですが、スイスの先生のお嬢さん宅でディナーを、とお呼ばれしていたのです。
先生宅から約30分弱のドライブで、去年の春頃?に引っ越したばかりの新居へ伺いました。
久しぶりにお嬢さん・旦那さん・孫のJ君に再会して、新居を案内して見せてもらいましたが、まだ改築中だけど、立派。
うっかり失念していて改めて驚いたのは、スイスの家はシェルター設置が義務づけられている(いた)ので、地下室が...。
僕はいま永世中立国にいるんだ、と思い出させてくれる場面で、枢軸国生まれのアメリカ人としては反応に苦慮します。
で、祖父・母・婿・孫のファミリーディナーにスペシャルゲストで参加させてもらったお食事が始まります。
白ワインを飲りながらビスケット・サンドイッチみたいなのをつまんでいると、最初のサラダを出してくれました。
ズッキーニや根菜類が複雑に入ってマリネされているサラダですが、僕の野菜嫌いなんか吹っ飛ぶ美味しさでした。
使いすぎず、ヒントとしてかすかにいろいろ入ってるハーブが欧州です。僕にこれを習得できる日は来ないでしょう...。
メインのお肉はスロークックしていてくれました。まずは見せびらかしの儀。
牛肉の塊です。 外観は僕の調理するプライムリブに似てますが、お嬢さんのクッキングはスイス式で、全然違います。
この肉を見せびらかしてからスライスした後に、塊の時に一緒に煮込んでいた野菜類とソースにまた入れちゃうのだ。
僕が焼くプライムリブはドライヒートで内部が見た目生のまんま、でもしっかり火が通ってるのを目指すのと違って、巨大な肉塊がひとつだけ入ったビーフシチューをスロークッキングして、それをスライスしてソースにからめる。という違い。
でも、時間をかけスロークックする。USDAプライムクラスの柔らかで高品質の牛肉を使う。というポイントは一緒です。
そうすっと、ダッチオーブン(と呼ぶのはアメリカだけらしい。笑われました)の中は、こんな状態。ここから取り分けます。
添え物として、肉汁を吸った人参や玉葱、それにポレンタを。
お肉はホロホロに柔らかく、ナイフが必要ありません。調理法としては僕のレアなプライムリブと正反対の柔らかさ。
スイスの先生も 「おまえのプライムリブも上手だが、うちの娘のビーフも柔らかで最高ぢゃろう?」と、ご自慢でした。
その後、1時間くらいろんな雑談をしている間に、オーブンで今度はデザートを焼き上げてくれました。
これがまた、待ったかいがある美味しいデザートでびっくりしました。
デザートと一緒に、甘口の食後酒を抜いてくれます。
スイスの先生がDUIで運転しないように、アルコール分がわずかなサイダー(リンゴ酒)を。
デザートのほうはこちら。 バニラアイス載せなのはシカゴ育ち?なアメリカンなスイス人の旦那のおかげです。嬉しい。
クランベリーに、シリアルのクランブルで、バニラアイス載せ。米国ではクランベリー・コブラーという名前でしょうね。
なんかすげーアメリカっぽいデザートだけど、クランベリーが生っぽいんですよ。スイスでもクランベリー穫れるの?
・・・って伺ったら、ちょっと恥ずかしそうに、It's Ocean Spray.(米国のクランベリー最大手メーカー)と言われました。
あれ?でも確かフィンランドの北極圏で地元のクランベリーを食べたけど?と話したけど、スイスは作ってないらしい。
アメリカ人の僕が来るからクランベリー好きなはずね。と考えてくれていたんでしょうか?とにかく美味しく、嬉しかった。
深夜になっておいとまする時分に、なぜか気温が上がって雨のようになってきました。
「パパ気をつけて。」とか「多分大丈夫ぢゃろう。」とかいう会話になってるけど、どういう事になるかと思ったら・・・凍結。
雨が激しい路面凍結を起こすんです。気温が上がっても路面はまだ氷点下。なので道路は全面的にスケートリンク。
先生のお宅まであと数キロメートル、というあたりのゆるい上り坂で、ついにツルツルで危険なほどに。
メルセデスの雪国仕様なアンチスキッド・デファレンシャルやらもお手上げになるスケートリンクになりました。
道路端にクルマを寄せた先生、ため息をつきつつ、かなり平然と We might have to sleep here tonight. だって。
僕が真っ先に見たのは、燃料系の残量表示。(笑) あ、まだ4分の3くらい燃油が残ってるから大丈夫か。と安心。
そのうち、通りかかるクルマは、4-Matic のSUV以外はことごとく道端にイヤな姿勢で停車し、ハザード点灯。
気が短くてクルマから降りてくる人は、みんなスケートリンクで滑走するハメになりました。でも笑えない状況だよね。
そうこうするうち、30分ほどでロード・メンテナンスの作業車が両方向からやってきました。凍結防止剤を散布してます。
上写真の矢印部分から、塩を散布しながら進んでいくんですが・・・作業車もツルツル滑る道を前後しつつ進みます。
三歩進んで二歩下がる、チーターの唄ってたような進み方で作業車が後ろから前から塩を撒いていった数分後・・・
ついにタイヤがグリップを取り戻し、普通に通行できるようになりました! すごいぞ雪国スイスの田舎道メンテ。
結局、道端で40分くらい立ち往生したものの、無事先生の自宅へ0時過ぎに帰り着きました。これも貴重な体験でした。
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ZRH(7) - Home Cooking
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