まるでスープのように雲丹をすくっては食べすくっては食べ、レモン、ポン酢...ああ、もうどうやっても飽きてきた。
(結果的にはウニのボウルはキレイに完食したけど(笑))
その頃に、ギターのもの悲しい音色と、豊かな声量の声が場内に響き渡りました。
後ろ姿だけど、流しのおぢさんがやってきました。普通は流しのおっさんは苦手だけど、声が太くて深いからプチ感動。
・・・太めで見た目がイケてるのも感動したけど。(爆)
レストラン内を弾き語りのように流して回り、チップをもらっていました。
僕のところにも来たので、些少ながらお渡ししたら喜んでくれ「日本人?」って聞かれ「はぽねす・あめりかの」(日系米国人)って答えたら、なんだかかえって感動されたというか... 親近感を持たれたようです。握手を求められました。流しのおぢさんだと思っていたら... 歌い終えたらシェフさんと一緒のテーブルで休憩してました。お店の専属歌手みたい。ちなみにこの後で痩せて声量のない流しの兄さんも来たけど、あんまり上手くないからチップはあげませんでした。
そこへ、サービスパーソンの兄さんが茹で上がったアレを持ってきました...。
タラバガニ King Crab(小)です。これでいちばん小さいのかよ!? まぢ一人で食いきれるか心配になってきました。
兄さんが僕を指さしているのは「おまえが、これ持つ。するとオレがおまえ写す。」って英語で言ってます。
言われるまま、持たされてぱっち... でも、これ、熱い!茹でたてだからメチャ熱い!!
写真では微笑んでるけど、「えす、むーちょ、かりえんて!」(これ、すっげー熱い!)って叫んでます。(苦笑)
スペイン語で叫んだら、遠巻きに見ていたシェフさんと流しのおぢさんが僕の台詞を理解してゲラゲラ笑ってるし。
何度も書いたように、をれはおばあさまがいないとカニをバラせません。
スペイン語でどう言えばいいのか判らず、I can't shell the crab, especially a spiky King Crab!(をれはカニの殻が外せない。特にトゲトゲのタラバガニなんて無理ぽ!)って伝えたら...「オレがカニばらす。おまえ食べる。無問題」
そう言うから注文したけど... ホントにテキパキとカニをバラし始めました。
ちゃんと手袋交換して、ものすごいスピードでタラバをバラしていきます...。
しかも殻の外しかたがイイ! ちゃんと先っぽが「持ち手」になるように、わざと少し殻を残して剥いていきます。
そうそう。上写真左隅に、シェフさんと流しのおぢさんがくつろいでるけど、自分のグラスに目一杯スパークリングワインを注いでから、ボトル半分以上残ってるのをシェフさんと流しのおぢさんへ「そっころ」Help って、おすそわけ。ちょい甘口よりなのが心苦しいけど、二人とも思いがけないプレゼントに大喜びしてくれました♪ どうせ一本飲みきれないし、二人とももう閉店間際で手持ちぶさただったから正解だったみたいです。これでまた世界に仲良しが増えたし♪
殻を外したタラバの足、とりあえずこんだけキマした。
そのまんま食べたら海水で茹でたくらいの塩気がある。
お兄さんはまだタラバ(小)の解体中だけど... ここでどっかに消えちゃった。
この先は自分でバラすのか?と不安になっていたら、そんなことはありませんでした。
兄さん... グラグラに煮立ったオリーブ油を持ってきました。
強烈な香りで、一発で判ったけどガーリックが入ってる!それが、油が泡立つほどに煮立ってる!!
「これかけて食べる。いい香りで美味しい」って、ガーリックオイルをかけてくれました。
日本人の感性からするとオリーブ油とニンニクっぽくなりすぎてカニの風味が殺されそうだけど、確かに美味しい。
ガーリックのいい香りで、ここにもこっそり醤油をたらしたらサイコー♥
醤油かけてるところシェフに見つかって、目があったらウインクされちゃいました。(笑)
カニ退治に忙しくなってきたところへ... パンの他にもまだ添え物があるのかよ!?
フレンチフライに、ガーリックライス。ああ、とてもここまで食べられません。ポテト一本、ライスひと匙で充分。
お兄さん... 引き続き、カニの解体に戻ってくれました。もう僕のテーブル専任状態です。
残りのタラバ(小)も手際よくバラしてくれ、僕が写真撮ってるの判ってるからか、カッコいく並べてくれました。
残りのタラバは、こんなプレゼン。
一人でこれ全部退治するのか?・・・というのが第一印象。(苦笑) ちなみにこのタラバ(小)は35ドルくらいでした。
解体し終えたプレゼンを見ると、カニみそは食わないみたいです。あるいはこのカニはオスだったのか?
いずれにせよ、殻が半分だけ外してあって、食べ易い。箸を出してくれたので、箸でヒョイパクできました。
テーブルの上はこんな状態。もう、カニ肉だけに集中していかないと。残念ながら食べきれないのは必至。
これでいちばん小さいカニですからね...。雲丹の分量も考えると二人以上、できればグループで来るべきお店です。
シェフとギター弾きのおぢさん、無事に泡のボトルをやっつけたようです。
ちゃんと瓶が逆立ちしてる。カラッポになったよのサインが同じ風習だと判ったのも儲けもの。後でこの御両名とは退席時に握手しまくりでした。「また来いよ」「また来ます」のやりとりは英語だったけど、仲良しになれました。
デザートはティラミスを頼んだら... 閉店間際(つか、ラストオーダー終了後)で、売り切れ。(号泣)
「メランゲ、おいしい。クレマとメランゲでもいいか?」って聞くから... ヴァシュランを想像したら、全然違った。
黄色っぽいほうがメレンゲ。シャクシャクした食感だけど、とっても軽やかで甘い。白いクリームはバタークリームみたいにコッテリしているけど甘さが控えめになっていて、全体としてはバランスがとれていて不思議に美味しい。ただしパティシェが丁寧に仕事したという繊細さはありません。無骨で懐かしいけど、おいしい。という方向性です。
これはめっけもんのデザートでした。
メニューがスペイン語だから読み取りきれなかったけど、たぶんお店の名物 Torta Augusto ではないかと推測。
他にタルトっぽい構造をしたデザートは「アイスのタルト Torta Helada」しか無いから、消去法の推測です。
甘い物が一緒の時には、ダブルエスプレッソで。
タップリ出てきました。もうおなかいっぱいで立ち上がるのも大変。結局今回の旅行で大枚はたいたのは、ここんち。
でも満足感いっぱいのディナーでした。
ドンデ・アウグスト、観光客相手のお店だけど親日派のシェフさんといい、居心地いいです。
Donde Augusto
Comunidad Mercado Central de Santiago, San Pablo 967, Santiago 8320009, Metropolitana
Tel. +56 28212678
www.dondeaugusto.cl
Hours: Tue-Sun: 9:00 am - 0:00 am ←この営業時間情報は怪しい。この金曜日には午後8時で閉まりました。
もう営業が終わったような中央市場。
この写真撮ってたら、片付けを始めているシェフさんに声を掛けられました。改めて握手してハグして、退場しました。
アルマス広場へ戻ったら、もう日没近く。
これで午後8時すぎ。アパート管理事務所の姉さんに「あたしなら日没後はアルマス広場より西には行かない」って脅されていたので、あんまりブラつかないでさっさと部屋へ戻ります。どのみちおなかがくちくて動く元気ないし。
部屋へ戻ったら、夕焼けがキレイでした。
明日は土曜日。モスキート・カフェでブランチでもしようかな♪ とおおまかに計画しながら、ベッドへ入りました。