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Zürich(7) - Cheese Fondue

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U.V.さんとJorgさんのお宅へあがると、すぐ居間へ通されてスパークリングワインを振る舞われた。

ドイツ語圏なのでドイツ産の泡だったが、エグ味のないさっぱりしたもので美味しくいただけました。

しばし談笑しているうちに、U.V.さんが「フォンデュだけじゃ寂しいから」と、スタータを出してくれた。

シュリンプカクテルのようなものだが、ジンジャーと葱、トマトをいっぱい使ったサルサ仕立て。さっぱりしていて美味しい。
これ、お世辞抜きですごく美味しいですよ。と博士と二人でほめちぎったら、U.V.さんは少し照れていた。

・・・で、夫婦ふたりでキッチンにこもってフォンデュの準備をしてくれる。

U.V.さんはパンをサイコロに切ってくれている。

旦那のJorgさんがフォンデュ鍋を用意する。僕はこの時までJorgがクッキングできるなんて知らなかったので唖然。

チーズがとろけたところに、なんだか秘伝のスパイスを加えている・・・。各家庭で代々伝わるレシピがあるらしい。
U.V.さんの実家も独自のレシピがあって、でもJorgのレシピのほうが美味しいのよって言っていた。
う~ん、どうやらこれは、日本でいえばお雑煮の味が各家庭にあって、結婚すると戦いがおきるようなものだろうか。(笑)

さて、S.A.博士と僕はひたすら待つ・・・。

パンだけ来ちゃったけど、これだけ食べてもしょうがないので、白ワインをチビチビなめながら、チーズを待つ。

チーズ、来ました。鍋の底からグツグツしてます。

写真撮らせてもらっている間も、他の3人がイライラしているのが痛いほど伝わってくる。(笑)

ありがとうございます。写真撮り終えました! さあいただきます。ボナペティッ!グッテ!
(なお、最近は先生も Itadaki-masu, Hai hai, などの日本語を覚えたようだが、僕の前では決して使わない。(笑))

もう、争うようにして鍋の中の溶けたチーズをからめ取る。

コトコト煮立っていて泡が立ち上っているので相当熱く、比熱も高くて口を火傷すると思い、最初は皆の様子を見ていた。
フォークに突き刺したパンをチーズの中でグルグルかき混ぜたら、その上空でクルクル回す。伸びるチーズを切るのと同時に温度を下げる効果があるようで、上空で10回転くらいさせたらフーフーとかせずにさっさと口に運ぶ。
日本的習慣の熱いものに息を吹きかけるのはたぶんマナー違反だから、そうしたいのを抑えつつ真似して食べてみる。
なるほど。上空待機で冷めるからなのか、火傷するほどには熱くない。投入された白ワインとスパイスの風味が混ざる。

これは美味しい。 思っていた以上、期待していた以上に美味しい。

ぢつはカリフォルニアの我が家の前にはフォンデュ専門店があるのだが、同じチーズフォンデュでも全然別物のようにおいしい。Jorgさんによると「今日のチーズはちょっと若すぎた。でも充分に楽しんでもらえる風味だと思う」とのこと。グリューエルやエメンタールを使うらしいが、なめらかに伸びるチーズを作っているお好みの農場、銘柄などが各自各様にあるらしい。投入する白ワインも安物でいいらしいが、これも各家庭で仕込みが違うみたいだ。

最初のシュリンプカクテルの後はおおざっぱにいえば、チーズ + 白ワイン + パン だけを食べ続けたことになるのに、なぜかちっとも飽きがこない。おなかいっぱいでもう食べられなくなっても、飽きてこない。もっと食べたいんだけど残念ながら胃が受け付けない、という状況だった。こんなシンプルな材料でこの食べさせるパワーの潜在力。これは凄いと思う。
今回は最初ひとりあたり標準の150グラム用意したが、ケチらずに200グラムちょっと用意してくれたとのこと。
その大盛りフォンデュを4人で綺麗にたべつくした。最後に鍋の底にゴムみたいに貼り付いたチーズも別けて食べた。


う~、もうおなかいっぱい。と言いつつも、食後酒をなめつつ先生が作って持参したケーキを分け合うことにする。

先生のクッキング、あいかわらず凄い。

近所のMIGROSというチェーン店のスーパー(極端に言ってしまえば、スイスにはMIGROSかCOOPの2チェーンしかない)で出来合いのスポンジケーキを買ってきた。そしてクリームを準備。抽出したてのエスプレッソをホイップした生クリームに投入。さらに砂糖と、スーパーで売っている出来合いのメレンゲ(なんてものまでMIGROSにあるのだ!)を砕いて加える。
メレンゲのためになんだか部分的にザラザラでブヨブヨしたモカクリームを作って、ケーキの組み立て開始。スポンジの間にモカクリームと冷凍ラズベリーで層を作りながら、最後はフープロで砕いてカラメライズしたアーモンドをふりかけて完成。余ったメレンゲを周囲に貼り付ける。最初から最後までで約30分ちょっとでケーキ1個を組み立てちゃった・・・。

ひときれもらって食べてみると、メレンゲを加えたホイップクリームがものすごくフワフワで、甘すぎずおいしい。もともとのメレンゲはサクサクの物体だけど、生クリームとエスプレッソの湿気でやわらかくなって全体になじみ、どこがメレンゲなのかはっきり判らない。これはすごい。このホイップクリームにメレンゲを加える技は知りませんでした。みんな知ってた?
スポンジには凍っていたラズベリーの溶けたジュースが染み込んだり、クリームが染み込んで、ここもフワフワ。
全体的にものすごくフカフカしたケーキで胃に軽く、しかもモカの風味がブラックのエスプレッソにとてもあっている。

U.V.さんのシュリンプカクテル、Jorgさんのフォンデュ、先生のケーキ、と手作りディナーで幸せな一夜を過ごした。
その後、紅葉の頃に日本を訪ねるつもりのU.V.さんと夜更けまでおしゃべりして、酔いが醒めたところで退散した。
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