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Zürich(4) - Restaurant Schloss Wülflingen

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ドラゴンTシャツのズッコケが起きるその前夜、博士のお嬢さん夫妻と孫のJ君との再開を祝するディナーへ向かった。
場所はチューリヒ北部のWinterthurという街にある高級レストラン、Schloss Wülflingenだ。

伝統的なスイス風の一軒家とモダンな看板のコントラストがいかにもスイスっぽい。

店内も綺麗に装飾されていたが、他のお客様の手前じぶんたちのテーブルだけ撮影。

金曜の晩で満席になったが、ゆったりと5人がけさせてもらえた。

全員が揃ったところで、パンとバター&スプレッドが到着

パン2種類にピメントのスプレッド、ハーブのスプレッド、それとガーリックバター。
白ワイン好きの先生はスイス名産シャスラーを頼んでくれた。よく冷えたシャスラーがガーリックバターとあって、美味。

アミューズ・ブッシュもすぐ出てきました。

バターナッツ・スコッシュみたいな南瓜のビスク。極太ストローですする。
寒い日はこういう、おなかが温まる突き出しがありがたいですね。

スイスでは食品が高い。日本以上に高い。したがって、そこそこのレストランへ行くと目を疑うような値段が並ぶ。
注文するのに気が引けるほどの値段が並ぶなか、好物のスープを見つけてしまった・・・。しかもそんなに高くない。

Bisque de Homard  (CHF 16.00)  Hummersuppe mit Rahm und Cocnac

ビスク・ドマール、英語だとロブスタービスクだ。コニャックが効いた、とても上品な風味のうっとりする出来映えだった。

ここんちのメニューは独逸語だけど、英語版もあるというから僕は英語版を見せてもらっていた。しかし・・・

La Bouse  (CHF 16.00)
Lauwarmer überbackener Berner Kuhmilchkäse auf Sellerie-Honig-Vanillepüree, Lauch-Champagnersüppli

この先生が注文したスタータの翻訳が意味不明だった。そもそも原文の独逸語ではLauwarmer、ということは Lukewarm =生温かい、と書いてあるのに英語だと hot cow milk cheese とか書いてあって、温度差がある(笑)。さらに生温かいのは牛なのかチーズなのか判らない。しかも Lukewarm という単語は食品衛生管理上タブーというか、ネガティブな雰囲気が満載なのだ。そのため「ホット」と訳したのだろうが、なんだか訳のわからない、気味の悪い食品に聞こえる。

いずれにしてもセロリと書いてあったので僕は試食も敬遠した。でもプレゼンテーションはそれなりに綺麗だった。

僕のメインコースは予習しておいたそのまんまで、ビーフ・ストロガノフを頼んだ。

Stroganoff  (CHF 46.00)  Rindsfiletwürfeli an Paprika-Rahmsauce mit Pasta und Gemüse

注文するときに How would you like to make it? (焼き加減は?)と聞かれ、「はぁ!?」と聞き返してしまった・・・。

先生のお嬢さんがこの状況にはたと気づき、速攻で説明してくれた。ここらへんのストロガノフという料理は日本やアメリカで出てくるビーフ・ストロガノフとは違うそうなのだ。シチューのようなスロークックでホロホロに煮込んだ肉ではなく、ステーキをダイスカットにしたものにパプリカと生クリームで作ったソースを和える、いわばサイコロステーキのクリームソースがけという料理だったのだ。とどめに、スイスのここらへんはドイツ語圏なのに焼き加減はフランス語で聞かれる。なんかカッコつけだしぃ、とか思いつつも「セニヨン saignant でお願いします。」と頼んだ。レアからミディアムレアくらいの焼き加減だ。

出てきたストロガノフを食べてみたら、ああこいうのもありなんだ。という新鮮な感動だった。

パプリカと生クリームをベースにマッシュルームを加えたソースは煮込んでいない、ソーシエがソースパンで数分間チャッチャッとやって作ったソースの味。でも確かにビーフ・ストロガノフ方面の風味になっている。それがいい具合の生焼けに仕上がった上等なフィレ肉にからめてある。初めて食べてみて、かなり気に入ってしまった。添え物はワイルドライスとかポテト系も選べたが、ストロガノフの王道パスタ(翻訳はヌードル)にしてみた。モチモチ感のあるアルデンテ仕上げで、明らかにホームメイド。美味しい。

先生には「どうせライスかヌードルを添えると思っていたが、やっぱり、な。」とからかわれた。・・・それ、差別だぞ。
その先生が注文したメインコースも、ストロガノフ。ただし芋と豆で育った先生は、やっぱりポテト添えだ。(差別返し)

これはこれでソースとマッシュポテトをからめて食べられるので、なかなか美味しそうだった。

デザートコースに入る前に、ワインセラーや他の部屋を見学していきませんか?とオーナーに勧められて、立席。

まずは地下のセラーへ向かった・・・

さすがに見学を勧めるだけあって、地下がまるまるセラー兼テイスティングルームになっていた。ボルドー一級とかブルゴーニュのグラン・クリュは鍵のかかった檻に入っていた。ナパのカベルネや南米のマルベックまで置いてあって、かなり充実している。ナパは3種類あって、安いのは Kenwood、高いのは Duckhorn が置いてあった。なかなかいい選択だと思う。

僕と義理の息子さんがワインのラベルを読んでいると・・・先生とお嬢さんに声をかけられた。

どこに置いてあったのか、海賊の帽子と刀を見つけて即興でコスプレして遊んでる親子...。しかもかなりいい歳。

セラーの次は2階のバンケットルームを見せてもらった。陶器で出来た巨大な物体があって、なんだか判らなかったが・・・

これって、暖房用のストーブなのだそうだ。ドイツ南部からスイスにかけては普通に見られるらしいが、初めて見た。

その後、写真を取り忘れたが、デザートを食べてお嬢さん一家と別れ、深夜に帰宅し即座に就寝した。
あ、僕はデザート食べないで食後酒一杯もらって、帰ってすぐ寝ました。
食後酒はタンポポ酒という、地元の人もよく知らないこの店独自のうす甘い酒を飲まされたけど、よく覚えてないや。(爆)
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