Tournus の街にあるひとつ星レストラン、Aux Terrasses でディナーをいただいております。
そういえば、フランスの郵便屋も同じようなフラワー・アレンジメントだったな。
人を馬鹿にしたような花を生けると、ミシュラン星をひとつもらえるのだろうか?
さて、僕の頼んだスタータは・・・
Foie Gras « Extra » Maison mi-cuit en Escabèche, Gressin à l’Ajowan (25€)
ご想像どおり(笑)、フォアグラですが... これ、出てきて「フォアグラはどこ!?」って焦りました。
パンジーもエディブル。ペッパーやプレッツェルの下にフォアグラが潜んでいましたが... 濃い。
「濃い」という表現が適切か判りませんが、とても密度の高い、風味の強いフォアグラで驚きました。
フォアグラの禁断症状、これで暫く大丈夫。でも自分の肝臓はどんどんフォアグラ化...。(大汗)
アジョワン・スパイスが使われたうすら甘いゼリーは花があしらってあります。
これもフォアグラに塗りたくって食べると、なかなか複雑で美味しい。
このスタータの皿で食べなかったのは、なぜか裏返しに載っかっていた(笑)ミントの葉だけでした。
おさかなコースは、ふたりとも同じ。
Demi-Homard rôti, Jeunes Blettes Sautées à Cru, Lamelle de Cédrat Confit,
Émulsion d’une Blanquette de Veau et Poudre de Yaourt (30€)
先生が訳してくれたけど、僕でも読める「ロブスターの半身をロースト」。Blettesって何かと思ったら、青梗菜でした。
ブログのために違う物を注文する鉄則を破ってでも、互いにこの皿は譲れません。(爆)
これ、譲らなくて大正解。ヨーグルトの泡とか、使ってある風味が繊細で、蝦風味が引き出されてます。
ロブスターは尻尾以外の殻は外してあるので苦もなく対処できるし、ソテーした青梗菜に玉葱、薄切りの大根、エディブルフラワーが嫌味にならない引き立て役になってます。これ、季節でアレンジ変わるんでしょうね。また食べたいな。
メインが出てくる前にお口直し。
タイムとセージのソルベに、クレマンを注いであります。
発泡ワインとハーブで舌がサッパリしました。しかも余韻がいい香り...。
メインコースが到着... って、先生、昨日もMJさんが作ったやつ食べてなかった?
Le Classique Poulet de Bresse aux Morilles et Vin Jaune (30€)
「古典的な」鶏のクリーム煮、フクロタケと黄ワイン仕立てです。先生、ご自身も鶏のクリーム煮とフクロタケの料理が得意だから、インスピレーションを得て自分の調理に反映させたかった模様。研究熱心です。これもひとくち分けてもらいましたが、フクロタケを使うと香りが素晴らしいです。ユラ(ジュラ)地方の特産、黄色いワインのヴァン・ジョーヌは「おとなしめのシェリー酒」な風味がある。と予想したんですが... とてもおだやかで嫌味がありません。
Ris de Veau, Foie gras en Coque Croustillante, Trace d’Anchoïade,
Moelle et Sommites de Brocolis (35€, suppl. de 5€ au menu)
僕のは、またもやフォアグラ♪(笑) ただし、フォアグラと子牛の胸腺 Sweetbread の抱き合わせ。
ブロッコリのアレンジメントが凝ってます。敷いてあるのとか巻いてあるのは、薄くスライスしたブロッコリの茎です。蕾(笑)をほぐしてちらしたり、同じアブラナ系と思しきエディブルフラワーも添えたりで、なかなかのプレゼンです。
一緒に出てきたのは、左が「これかけて食べてね♪」なソースと、ポテトのピューレ。
ソースは素直にかけました...。
泡立ててあって、濃厚な風味があるけど、それでいて軽快なソースです。
胸腺もフォアグラも、周りのカリカリな容れ物と一緒に、うっとりする美味しさでした。歯触り、脂の風味、胸腺のタイムのような香り... と重くなりそうな内容をブロッコリでバランスさせてます。
ポテトピューレは食べきれずに先生へ押しつけました。最初は拒否してたけど、味の良さに負けて結局食べるし。w
そして、他のテーブルにゴロゴロと押されていく、何度か目の前を通り過ぎたチーズのカートが、ついに停車♪
Les Fromages de la Maison Giroud (14€)
パッと見てソフトチーズが多いのと、イタリアやイギリス産が見当たらずフレンチばっかし。こだわりでしょうね。
しかも、熟成度が高い、すごいプンプンなチーズばっかし。さすがはブルゴーニュの星持ちレストラン?
先生に、「これは是非試しなさい」 というのをひとつ選んでもらって、後は自分でバランスとって選びました。
写真左から: ロックフォー、コンテ、キャラウェイやレーズン入りの山羊のチーズ、そして熟成しまくりカマンベール。
食べる順番は、山羊 → コンテ → カマンベール → ロックフォー になります。
もし先生が勧めなければ、山羊のかわりに地元名産のエポワスに走って、臭いチーズだらけだったでしょう。ここんちはナッツとかフルーツとかの添え物はくれませんが、パンを補充してくれました。いちばん感心したのは熟成したカマンベール。白カビチーズでこういうふうになるんだぁ、という鄙びた風味でした。
ここまで来ると店内は半分くらい客が引けてきます...。フランス人はディナータイムがそんなに遅くないんだね。
ここでプチフールが先に出てきました。
パッションフルーツのグミ、バタースカッチ・キャラメル、そしてチョコボンボンです。
先生... グミしか食べません。僕もおなかいっぱいで、キャラメルはポケットに入れてもらって帰りました。
翌日、この 「超高品位なキャラメル」 はTGVの中で美味しく、も゛ぐも゛ぐしました♪
さて、最後の甘い物です。
Pomme Golden & Kiwi en sorbet, Émulsion d’une Tarte Tatin, Arlette à la Cannelle (14€)
チーズで〆るのが基本な先生は、サッパリ系。
キウィのソルベも美味しそうだけど・・・
このゴールデン・アップルのソルベで作った創作物、すごい。
思うに、ここんちって食材をスライスするのが得意みたい。お店の入口にもスライサーがあったしね。
僕のも創作意欲満点なデセール。
Sous un Disque de Chocolat Blanc, Fraises, Hibiscus et Violette… (14€)
ホワイトチョコの円盤にイチゴ...まではいいけど、メニューとは違うエディブルフラワーが載っかっていました。
ハイビスカスとスミレって書いてあって勝手にうっとりしていたら・・・
実際は、ナデシコ科、アブラナ科にキク科植物の花弁に変更。(泣)
(この花弁だけで花の名前を完全に同定できれば、あなたは百姓学部百姓学科花卉遺伝学専攻にピッタリ)
ホワイトチョコの円盤を破壊すると・・・その下に潜んでいるのは、イチゴとクリーム。
今朝までは熟れ熟れのイチゴでした。という新鮮な風味のソルベに、クリーム。(右半分なので写真では見えません)
このアイスは潰したイチゴ独特の、酵素が働いて出てくる青臭い臭気がありませんでした。イチゴを凍らせてから潰しているか、すぐに処理して臭わないようにしているようです。そこまで気づく客は少ないだろうけど、これは嬉しかった。
ひとつ残念だったのは、ホワイトチョコの風味は口内で25℃以上にならないと溶けてこないから、無味無臭。その一方でイチゴのソルベが温度を下げるから、全体の風味が混ざって行き渡るまで時間がかかる。
チョコの円盤をもっと薄く作れば多少改善されるだろうけど、もう一工夫欲しかったです。
最後のコーヒーは、デキャフェで淹れてもらいました。
ムースとビスコッティが付いてきました...。
しかし、このコーヒーカップは... 裏千家あたりからインスパイアしてるんでしょうか?
思わず最後の一口、コーヒーの泡を 「ズッ」 と音を立てて飲み終え、口をつけた部分を指でをぬぐって90度回して置いてみたり。さらに 『終わりました』 のサインで、スプーンをトレーの中に押し込んで、音を立てて落としてみたり。(爆)
「・・・何をやっておるのぢゃ?」 と聞く先生に、I'm following the tea ceremony manners. って答えてました。
・・・酔ってますね。(笑)
そうそう。使わなかったけど、お砂糖がメチャクチャに凝ってます。
凄いでしょ? あの、折れたブラウンシュガーの部分だけ使ってみようかどうしようかドキドキ悩みました。(爆)
ここんち、季節でアイテムが頻繁に変わるみたいだし、まだ試してみたい料理がいっぱいでした。
先生のお宅からもそんなに遠くない街なので、またここに来るか、他の星持ちレストランを試したいです。
Aux Terrasses
18 Av. du 23 Janvier 71700 Tournus
Téléphone: +33 3 85 51 01 74
www.aux-terrasses.com
Ouvert:
Déjeuner: de 11h45 à 13h30
Dîner: de 19h45 à 23h30
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CdG(19) - Aux Terrasses(2)
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