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CH(6) - Rte. Mare & Monti (1)

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S.A.博士のチューリヒ邸... もう荷造りが少し進んでいるのとともに、驚いたことに庭の植木がみんな撤去。

「新しい家主はちいさい娘が二人いる4人家族だから、庭を作り替えるそうぢゃ...」って、テラスも芝も撤去。

で、「今回は温泉は無理ぢゃが、どこか行っておきたいレストランはあるか?」と聞かれ、近所のイタリアンを希望。

先生宅と空港のちょうど中間くらい、バッセスドルフというちいさな街にある、マーレ・エ・モンティへ。

この「海と山」という名前のイタリアン、マンマもオーナーのおぢさんも明るくて優しくて、いい雰囲気です。

いつもは滞在中の最後のほうでお邪魔することが多いけど、今回は最後で絶対外したくないから真っ先に訪れました。

早い時間だからまだ空いている店内。

ドイツ語のスイス人は独逸人みたいに食事が早めだけど、イタリア系のみなさんはラテンでスタートが遅いから。

・・・で、座って、先生はワインを選んでて、僕はパスタかリゾットがいいかなぁ?ってメニューを読み解いていたら...

オーナーシェフさんが「これ、おつまみ。今月はパルミジャーノのいいのが入って、パルミジャーノ料理がスペシャル」だということでした。ためしにこのパルミジャーノのかけらをかぢってみたら、よく熟成してて美味しい♪

よく見たら、確かにまるまる一本のでかいパルミジャーノが店のまんなかに置いてありました...。

あの中でパスタをまぜまぜしてパルミジャーノの風味を載せるわけだね。成田のエクセルホテル東急でもやってたけど、こっちは「ほぼ本場」ものだし、シェフさん一家もシチリア人だし、かなり期待できます。

「ちょっとこっちへ来いよ。パルミジャーノの中を見てくれよ」ってシェフが誘うから、先生とふたりで近づくと...

「ほら、こうやってパルミジャーノを削ってたっぷりからませるから」って・・・ がーり、がーり、と内側を削るシェフ。なんだか富津名物の潮干狩りで、海岸の砂でもほじくってるかのようにチーズを豪快に削りとります。

見よこの「ちょっと削ってみせた」というだけで、この分量のパルミジャーノ。しかも「ポルチーニと一緒」だって。

・・・ごくり。「せんせい... 今日はこれですね」
・・・ごくり。「...ぢゃな。」

「スタータにするのがオススメだよ。パスタならパッパルデッレ、リゾットでもできるよ」
「そしたら、僕はリゾットにしていいですか?」
「ぢゃあ、わしはパスタで」
「ふたりで違うもの頼むと面倒臭くない?」
「大丈夫。ノープロブレム。気にしないで」
・・・と、やさしいシェフさん。

先生はマンマと相談して、イタリアンな赤ワインを選びました。
    
Don Vincenzo 'Eghemon' Passimiento Rosso Terre Siciliane IGT, Sicily, Italy 2014

シチリア名産の葡萄品種 ネロ・ダヴォラ Nero D'Avola を中心にブレンドしているそうですが、すごく濃厚な果実感がはっきりしているのに甘味はなくドライで、タンニンが妙にまろやか。パッシメントって名前だからヴェローナのアマローネみたいに「アパッシメント方式」で軽く干して水分を抜いてから醸造しているんだろう、と推測しました。

パルミジャーノを手でちぎってこの赤ワインをすすると、なんだかとってもイタリアンでいい感じ。

「せんせい、ネッロ(黒)って名前だから、ピノ・ノワール(小さい黒)となんとなく近隣種?」
「ストーリーを勝手に組み立てるではない。葡萄品種は地方毎にまるっきりの別物ぢゃ」

そんなこと言ったら、カリフォルニアでもピノいっぱい作ってるし、フランスの葡萄苗木の根元は今はみんな米国産。(その昔、フィロキセラという害虫にやられてほぼ全滅。フィロキセラに耐性のある米国の苗に接ぎ木で再生)

・・・と、いつものようにこんな雑談を交わしつつ、お料理が届くのを楽しみに待ちました。(明日に続くのだ)

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