iSOさんがご帰還なさる前に出かけたディナーは、三番街のお店です。
数年前に拙宅で「泡踊り」というシャンパンパーティーを催したのですが、その二次会場になった場所です...。
以前は Boggie's という名前でしたが、いまはポーターハウスという名前のステーキ専門店になっています。
こんな看板ですが... オーナーさんは変わっていません。よくサンマテオの駐車場でバッタリ出くわして「最近お見限りね...」と、銀座のバーのママみたいな小言(だと思う。よく知らない)をかましてくるので、久しぶりに訪れてみました。
この店は 3rd Ave. に面しているわけではなく、通りからちょっと引っ込んでいます...。
そして、入口の頭上には、ほ・た・て♪ のステンドグラスが輝いているのです。
・・・ベスト電器先生、ここには来たがらないだろうな。w
お店の入口はこんな。
今年になってからか? 入口ドア左側に熟成中のビーフが展示されるようになりました。ここは通常でも3週間、長いものでは100日熟成かけたビーフを供しているということです。
入口にオーナーのHさんがいたので「来たよ~♪」って声かけて、しっかり両手で固く握手。Hさんが「まだここでがんばってるよ♪」って言うから訝しく思ったんですが、その後4番街の姉妹店 SPEEDO が改装のため閉店していたので、僕がそれを既に察知していると思ったんでしょう。Hさんにはがんばってもらいたいものです。
まだ空いているし2名だから、ブース席に通してもらいました。近所のミニパーティ席はこんなで、華僑の家族が利用。
我々のテーブルはこんなセットアップです。
素っ気ないけど、ステーキ屋ならこんなもんじゃね? でもナプキンは真っ白で生地も新しく清潔でしたよ。
サービスパーソンさんが水を注いでくれそうになるのを止めて、炭酸水をもらいます。
おなかがくちくなるほど食べる覚悟のときは、炭酸水が助けてくれますから。ここんちはS.ペルグリーノでした。
パンのバスケットも置いていってくれました。
パン生地が無漂白なのでサワードーを疑いましたが... 違ってます。良かった~... けど、これは普通に美味しい。
食前酒どうよ?と聞かれ、iSOさんは引き続き泡で。僕はワインカクテルで。
iSOさんのはプロセッコ。グラス売りですが、新しい瓶を抜いていました。僕のは泡抜きで、キールです。ついさっきはロデレールのクリスタルでさえ甘く感じていたので、クレム・ド・カシが入った白ワインは甘い甘い。(笑)
さて、今宵のディナーをここにしたのは3コースで39ドルというスペシャル Prix-Fixe を始めたからです。スタータにメイン、そしてデザートで39ドル。メインの選択肢を眺めると... 手を抜いて無さそうに見えたのが好感し、試す気に。
パン一切れをプチプチつまんでキールで流し込んでいるうちに、スタータが到着。
こちら、iSOさんがご注文のオニオンスープ。事実上のオニオン・グラタンスープですが、昔ボギーズだった頃に出していた銘品のスープがそのままで、やや小さめになったような印象。この後に肉がっつり予定なので分量的には正解。
こちらは... 春巻きにしてみました。
ウェブサイトのメニューで予習していたのは「鴨の春巻」でしたが、今宵はビーフだとの由。でも揚げ物は美味しそうなので試してみて正解でした。牛挽肉へ、いかにも春巻っぽいグチュグチュした物体が一緒に巻き込まれて、カラリと深い色に揚げてあります。ここへ北京ダックに使うようなソースをかけて食べるのが、なかなかいけてました。
このへんで食前酒が空いてワインをもらいましたが、グラス売りの白で。
どれ頼んだか覚えてないけど Chardonnay, Trione “River Rd. Ranch” Russian River, 2009 だったと思う。(苦笑)
いかにもソノマで育ちましたっぽいシャルドネ。ほっといたらMLFかかっちゃいました程度にクリーミィ。
そしてメインコースが、こちら。これで驚いて予約を入れたのだ。
12オンスのプライムリブ。毎晩数量限定です。Au Jus(肉汁)と海の塩で。焼き加減を聞かれ「レアって、できる?」と聞いたら、できるだけレアに仕上がっている部位を切り出してきてくれました。
つい先だってに Kingfish で16オンスのプライムリブを分けてもらっているので、出来上がりの品質をはっきり比較できましたが... さすがにステーキ専門店だけあって、こっちの店のほうがおいしい。Kingfish も充分に美味しいんですが、やはり仕入れやエージング、スロークック等の細かな仕上げがワンランク上だと感じました。ホースラディッシュが出てこない代わりに甘塩と胡椒でいただくのも新鮮。こんどこっそり本膳醤油持って来ようと思います。w
iSOさんはさっぱり、あっさりとフィレ肉で。
8オンスのフィレミニヨンにボードレーズ・ソース。温野菜とポテト添え。
このメイン2品でお判り頂けると思いますが、3コースの Prix-Fixe になっていても、フィレで 8oz. プライムリブが 12oz. というのは標準的な大きさですから、メインには手抜きがありません。それでいてお値段はメインだけ程度なので「メインを頼んだらスタータとデザートがおまけ」みたいなお得感です。
なお、このコースは1グループ4名様までに限定です。基本的にはカップルで気楽に食べに来てもらいたいんでしょう。
そして... ちょっと手が込んでいて気に入ったのがポテト。
ベイクドポテトの中にマッシュポテトが詰めてありました。デビルズエッグならぬデビルズポテトですが、ひとつでマッシュポテトもベイクドポテトも楽しめるのが嬉しい。いいアイデアだと思いました。
・・・うぅぅ。おなかいっぱい。さっきまでデッキで飲んでたせいもあって、ちょっとだけ食べきれませんでした。(泣)
デザートはブレッドプディングとかクレムブリューレとか順当なものがあるけど... 二人ともソルベにしておきました。
今宵のソルベは、グラニースミス(青リンゴ)とグアバのソルベ。酸味がシャッキリして、トロピカルで、いけてる。
このコース、ものすごくお得感あります。今度はちゃんとハラペコで来訪し、しっかり完食していきたいと思います。
帰りがけ、入口の内側から Dry Aged と呼ばれる熟成中の肉を、ぱっち。
なんか凄いよね...。こうやってるとタンパクがアミノ酸に分解して美味しくなって、水分が飛んで凝縮されるんだね。
Porterhouse San Mateo
60 E 3rd Ave, San Mateo, CA 94401
Tel. +1 (650) 579-5911
Hours: everyday 5:00 – 10:00 pm
ポーターハウスで赤ワインを飲ってこなかったのは... 自宅で食後酒に。という算段も働いておりました。
iSOさんが空港へ向かう前に、最後に空けたのは南米の赤ワイン「アルマヴィーヴァ」です。トップギアさまからいただいた「いつもころんでるデキャンタ♪」を久しぶりに使わせていただきました。ギアさん、ありがとうございます。
このメリタージュはシャトー・ムートン・ロッチルド(うちの近所は『ロスチャイルド』と呼ぶw)と、チリの最大手コンチャ・イ・トロが組んで作ったワインです。ナパのモンダヴィと組んだのがオーパス・ワンだから、いわばオーパス・ツーですが... これ、最初にまだ開かないうちに口に含んでみて「???」と思いました。ブショネってないのに安心して(笑)、カルメネーレ起因の果実感はあるけどタンニンがヘンに固い。2003年でまだ早いのか... と思う間もなく、ほんの10~15分で開きました。以前、iSOさんとは同じコンチャ・イ・トロが造った最高峰といわれる「ドン・メルチョ」で感動したのですが、どちらも適切なデキャンティングが必要な上等ワインでした...。風味は非常に複雑で言い尽くせませんが、あたりまえだろうけどムートンより圧倒的に果実感が凄い。でもムートンみたいに独特な「樽、思い切り炙って焦がしてみました~♪」みたいな甘苦い風味がきてます。ドン・メルチョも好きだけど、これも凄く気に入りました。
最後に出来の良いワインを酌み交わして iSOさんをお送りできました。iSOさん、またご来臨くださいませ。
これでサンマテオ近辺での10回連続記事はおしまい。ご愛毒ありがとうございました。
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Porterhouse San Mateo
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